はや20年が経ちました・・・
20年前の2月、私の兄は32歳の若さでこの世を旅立ちました。ステージ4のスキルス胃がんを患い、胃がんと診断されてから1年も経たぬうちに肝臓にも転移し、辛い闘病生活を終えました。そして、その13日後、今度は父が62歳でこの世を去りました。父はALSであると診断され、回復の見込みのない難病であることに愕然とし、日に日に弱っていく自分自身を情けなく、やるせない思いですごしていたと思います。
そんな病気を患った二人にずっと側で明るく元気に接して励ましながら世話をしてきた母。心が温かく、とても懐の深い人なので必死に二人の事を受け止めて献身的に見守ってくれていました。私もたびたび里帰りはしていましたが、そうはいっても母に二人の世話を任せっきりで申し訳なく思っていました。唯一私が二人の為にしてあげられたことは、孫であり姪をみせてあげられたことでした。父は孫を膝の上に抱いてとても幸せそうにしていました。兄は姪を娘のように優しく接して気長に遊んでくれました。その様子がずっとずっと目に焼き付いていて、毎年2月になると母も私も二人を思っては涙を流しておりました。
ここ数年は「時の流れが別れの辛さを癒してくれるものなんだな」と実感できるほど穏やかに命日を迎えられるようになりました。今年はお正月に里帰りができなかったので、この命日月に里帰りし、久しぶりに母に会うことができました。20年の節目ということもあり、母の姉家族も集合してみんなで会食ができました。みーーーんな年をとりました。叔母も叔父もずいぶん小さくなったし、母もやはり小さく見えました。
母はずっと私の心の拠り所なので、いつまでも元気でいてほしいと切に願っています。 父と兄の事を思いながら母や家族、いとこの家族と会えて一緒にお参りができて、とてもとても大切で良い時間を過ごすことができました。