駅に100日立ち続けて見えてきたこと(1)

 昨年11月から大府駅で朝のあいさつ運動を始めました。雨の日も風の日も雪の日も駅を利用する通勤、通学されている皆さんと共に駅に行ってご挨拶してきました。当初は「本人」というたすきをかけて駅に立っていることに違和感を感じられた方もいらっしゃったと思います。あの人はいったい何のためにそこに立っているのか?不思議ですよね。
 1週間ほど経ったころ、駅を利用する方から「その本人って何?名前じゃダメなの?」と質問をいただきました。「私は市政にチャレンジしようとおもっているのですが、公職選挙法により、今の期間は政治活動はできるのですが、名前のついた物を身に着けての選挙運動とみなされる行為はしてはいけないのです。」とお答えしました。「へえ、そうなんだね。」とご納得をいただき、その後も毎日挨拶を交わし、時々は一言二言声をおかけしてくださるようになりました。私もこのような活動を始めるにあたり、様々なルールがあることを知りました。そして、違反行為とみなされることがとても多く、判断しにくいこともあり、何かにつけて本を読んで調べたりネットで検索してみたりの日々でした。未だにこれはいいのか?だめなのか?と困る事がでてきます。
 12月に入るとだんだん寒さも厳しくなってきました。その頃には私が「駅に立っている人」というのが当たり前になってきたかのように、毎朝お目にかかる方と顔なじみになってきたような感覚が生まれてきました。中には「寒いのに頑張るねえ~」、「風邪ひかないように!」と優しい言葉をかけくださる方までいらして、それはそれは心温まる瞬間も増えてきました。
 1月は4日からスタート。学生さんはまだ冬休みですが、当たり前に初出勤される方が多かったと記憶しています。年が明けてまたあの方にもこの方にもお目にかかれて、お元気そうでなにより!と私は勝手に喜びながらあいさつをさせていただいておりました。
 それにしても、駅であいさつ運動をしていると、学生さんたちの多くがぺこりと会釈してくれたりするのがとても嬉しかったです。みんな挨拶というものがちゃんと身に付いた礼儀正しい子たちだなあ!と感心しました。そして、その反応に私はとても救われました。そのおかげでなんとか毎日立ってこられたのだと思います。サラリーマンの方の中にも電車の時間に合わせて慌ただしい毎朝の通勤時にも関わらず、あいさつをお返しくださる方や、リーフレットをうけとってくださった方にはとても感謝しております。稲葉ゆかりという人間を一人でも多くの方に知っていただくために始めた朝のあいさつ運動。この活動を始めなくては知り合えなかった方との出会いもあり、その方々とのつながりが今後も継続されることにわくわくしております。
 

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